肉料理のソースに幅広く使用されるフォン・ド・ヴォー。 ここでは、なんとか家庭でできるフォン・ド・ヴォーの作り方を紹介します。
1.牛スジ肉を色付くまでよく炒めます。余分な油落としなので、シッカリと焼いてください。脂肪が溶ける温度は赤身肉で150℃・白身肉で240℃前後です。鍋底3分の1ぐらいに油が溜まります。 炒めた肉を油を切りながら煮込み用の鍋に移します。さらにフライパンの油を捨てて少量の水を加え、木ベラなどを使って鍋底に付いた旨味(シュック)をコソギ落として(デグラッセ)鍋に移します。ただし、この旨味が焦げ臭い場合は使用しません。
2.同じフライパンでパセリの茎・トマト・トマトペースト以外の野菜類を炒めます。野菜類は適度の大きさに切り揃え、ニンニクは皮付きを水平に二等分します。 肉と同じように色付くまでジックリと炒めますが、焦げ付かないように注意してください。焦げた匂いはフォンが完成しても取れません(肉も同じ)。分量が多いので、2回に分けたほうがやりやすいと思います。 この炒め色でフォンの色が決まります。 3.残りの材料を鍋に入れて、水から火にかけ、浮いてきたアクと油はこまめに取り除きます(油は大まかでかまいません)。 1度沸騰させてから、コトコトと8時間半煮込みます。水の蒸発にしたがってコトコトの火加減が変わってくるので、注意してください。 3時間ほど煮込めば7分目ぐらいになるので、熱湯を追加します。出来上がりが6分目ぐらいになるよう、水の分量を調節してください(7分目を目安にして、そのつど熱湯を追加します)。 鍋の中の急激な温度変化を避ける為に、追加する水は必ず沸騰させた熱湯にしてください。煮込むときがフォン作りで1番楽しい時間です。出来上がりを期待しながら待ちましょう。
4.6分目を目安にしながら8時間半の煮込みが終われば、目の細かいザルなどで濾します。濾すときは雑味を避ける為に、静かに濾します。 5.濾されたフォンを1度煮立ててアクと油を取り除きます。このとき油もできるだけ除いてください。これで1番フォンの出来上がりです。
1番フォンは、色・風味共に完璧なフォンに見えますが、煮込みが足りない為にコクが足りません。その為、濾した材料をもう1度煮込んで2番フォンを作ります。 1.2番フォン分量のニンジン・玉ねぎ・セロリを色付くまで炒め、煮込み用の鍋に入れます。 2.濾した1番フォンの材料と、残りの材料を鍋に入れて、水から火にかけ、浮いてきたアクと油はこまめに取り除きます(油は大まかでかまいません)。 1番フォンと同じやり方で、コトコトと6時間煮込みます。2番フォンは、出来上がりが5分目ぐらいになるよう調節してください。
3.静かに濾してから、1度煮立ててアクと油を取り除きます。これで2番フォンの完成です。 2番フォンは1番フォンと比べて風味に欠けますが、コクがよく出ています。最後に1番フォンと2番フォンを足して、味をなじます為に1度煮立てます。 ここまでくればアクと油はほとんどありません。もし目立つようなアクと油があれば、取り除いてください。 これでフォン・ド・ヴォーの出来上がりです。 フォン・ド・ヴォー・コルセの場合は、さらに1時間煮詰めます。旨味が凝固する場合があるので、木ベラなどを使ってユックリとかき混ぜながら煮込みます。側面に付いた旨味もコソギ落としてください。 味・濃度共に力強い、フォン・ド・ヴォー・コルセの完成です(約1リットル)。 |
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